光トポグラフィー検査(戸倉分院にて行っております)
当院は平成28年7月に長野県内で初めて光トポグラフィー検査を導入いたしました。(※1)光トポグラフィー検査を受けた患者様の多くは、目で見える結果に満足して、自分の治療に前向きな姿勢を示し、主体的に治療に取り組んでおります。家族も客観的なデータを示されると、患者様の病気を理解、受容しやすくなるなどの大きな利点があります。
初診の患者さんで、検査をご希望の方は、通常の初診診療の一環として検査させていただきます。検査自体は初診診療日以降の日程で実施し、検査の費用負担はありません。
2回目以降検査を希望する方は、以下の当院通院患者さん対象に準じます。(※2)
現在当院通院患者さんで検査をご希望の方は、自費診療で実施しております。
検査料は1回につき3,800円とし、ご本人の同意を得た上で、診療日以外の日程で検査を実施します。光トポグラフィー検査自体は通常20分程度で終わりますが、心理状態把握のため事前に心理検査を実施いたします。(※3)
※1 研究用では、すでに諏訪東京理科大学で導入されており、また信州大学教育学部にて平成20年8月にレンタルで利用されております。臨床用としては、21年より大学病院で先進医療の承認を受けて導入され、26年4月からは保険適応になり、導入施設が増えております。施設基準が厳しく、保険適応は大病院に限られている状況ですが、当院ではいち早く皆様にご利用していただくために検査料を低額ないし初診で希望の方に無料に設定し、長野県内では当院が初めての導入となります。※2 初診の患者さんで検査をご希望の方は、午後3時から午後5時(木曜と土曜日、祝日を除く月・火・水・金曜日)の時間帯に電話で戸倉分院(☎026-214-8212)までお申し込みください。
※3 現在当院通院患者様で検査をご希望の方は、受診時に医師または看護師にご相談ください。電話でのご連絡は午後3時から午後5時(曜日は上と同じ)の時間帯にご相談ください。
光トポグラフィー検査とは
うつ病を数値で診断できる唯一の検査
身体疾患の場合、血液検査やMRIなどの様々な検査を行い数値で診断しています。一方、うつ病は長くに亘って問診のみで診断されてきました。しかし、脳の病気であるうつ病も、実は数値で診断できることが研究の結果により近年明らかになってきました。光トポグラフィー検査が脳の状態を測定し、数値でうつ病を診断できる現在唯一の方法です。装置操作、測定内容の説明、そしてレポート表示までおよそ15分程度です。
- ①受診者様に椅子に座って頂きます。
- ②プロープをかぶりながらビデオ映像で測定内容を理解して頂きます。
- ③音声ガイダンスに従って測定します。
- ④測定終了後ただちに解析され・レポートが表示されます。
測定の概要
光トポグラフィー検査は、光トポグラフィ装置を使い、脳活動に伴う大脳皮質の血中ヘモグロビン濃度変化を計測します。この装置は脳の状態を測定するための機器で、微弱な近赤外光を用いて大脳皮質部分を計測し画像化します。身体への負担が少ない計測技術です。
様々な場面における脳の活動を
簡単に「見える化」する技術です。
検査では、身体に害のない近赤外光を使用して前頭葉の血液量の変化パターンをグラフ化されたデータとして計測します。血流量の変化パターンは、健常、うつ病、双極性障害、統合失調症で異なり、それぞれ典型パターンがあります。課題が始まると「考える」という負荷がかかるため、健康な人では一気に脳の血流が増えます。うつ病ではこの笛幅が小さく、脳が充分に働いていないと考えられます。双極性障害では血流量の上昇が遅れ、統合失調症では上がり方が不規則という特徴があります。
今後期待される利用法
初発のうつ病や双極Ⅱ型障害の場合、問診だけでは双極性障害の診断は難しく、本検査による結果は、鑑別診断の補助として非常に役立っています。研究段階ではありますが、うつ病の症状が改善すると、側頭葉の血流が増加することが示唆されており、今後本検査は、治療評価にも応用できるのではないかと考えられます。うつ病の重症度や予後予測を客観化する研究も進んでいます。
また、小児ACHD治療薬の効果測定にも利用されています。患者様の病気の改善具合を知ることになれば、治療への主体性向上につながることも期待されます。
また、光トポグラフィー検査の結果は、その患者様への成やすさ(脆弱性)を表している可能性もあります。
したがって、抗うつ薬、気分安定薬、抗精神病薬の選択を行う際の手がかりともなります。
侵襲性もなく、簡便なタスクを用いる光トポグラフィー検査から薬剤選択を行うことが可能となることも、本検査の目的の一つである。鑑別診断と薬物選択の補助手段をあたえてくれる光トポグラフィー検査は、精神科臨床の入り口における大きな手がかりを与えてくれます。
光トポグラフィー検査の精神科領域での効用
客観的な指標
光トポグラフィー検査のデータに基づく脳機能評価診断の正確性
初診時や治療経過における診断の正確性を高める補助の一つとして利用出来る(大うつ病性障害と双極生障害の識別診断)
治療の適切化
治療を適切に進める上で有用(例:症状の早期改善、重症化予防、社会復帰促進など)
病状理解の促進
当事者やご家族が理解しやすい視覚的な説明が可能よくある質問
- 光トポグラフィー(NIRS)検査で何ができるのですか?
- うつ症状の原因となる病気の診断の正確性を高めることができます。光トポグラフィー検査は、あくまでも脳の動きを反映する血液量変化をしる検査であり、治療効果はありません。うつ病(大うつ病性障害)、躁うつ病、(双極生障害)、統合失調症に羅患されている方の光トポグラフィー検査のデータと臨床症状に基づく鑑別診断の結果の一致率は、それぞれ約7〜8割です。ただし、この検査のみで診断・治療方針は決定せず、検査結果は他の多くの情報と併せ、総合的に判断する際の臨床情報の一つとして活用されます。
また、計測不良などで判定困難・判定不能になることもあります。 - 副作用や危険はありますか?
- 光トポグラフィー検査では、身体に害のない近赤外線光を使用するので、特記すべき副作用や危険際はありません。安全性は広く認められています。
- 光トポグラフィー検査で病気は治りますか?
- 光トポグラフィー検査は、検査であり治療ではありません。しかし検査結果から、より有効な治療法を見つけられる可能性があります。
- 検査にはどのくらい時間がかかりますか?
- 検査自体は基本的に15分程度ですみます。
- 検査を受けるにあたり、気をつけることはありますか?
- 検査の前日には十分に睡眠をとってください。もし検査中に眠気があると、正確な結果が出ない可能性があります。
- 検査当日の注意点はありますか?
- 服装については、普段通りでかまいません。ただし、頭に検査装置を装着するため、整髪料や化粧は控えめにしてください。また、ヘアウィッグなどについては、検査結果に営業が出る可能性があるため、検査時には外していただきます。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
8:30-12:00 | ◎ | ◎ | 休 | ◎ | ○ | ○ | 休 |
14:00-20:00 | ○ | ○ | 休 | ○ | ○ | ◯ | 休 |
本院
◆月・火・木・金曜日
8:30~12:00 14:00~20:00
◆土曜日
8:00~18:00
◆休診日:水・日・祝日
◎月・火・木の午前中は医師2名で診療
○土の午後は18時まで診療
当日の初診を承ります(土曜除く)
長野県長野市若里6丁目1-6
026-268-1840
●各種保険適用
戸倉分院 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
9:00-12:00 | ○ | ○ | ○ | 休 | ○ | ○ | ○ |
14:30-17:30 | ○ | ○ | ○ | 休 | ○ | 休 | 休 |
戸倉分院
院長/福嶋 海
診療科/内科・心療内科・一般精神科
◆月・火・水・金曜日
9:00~12:00 14:30~17:30
◆土曜日
9:00~12:30
◆日曜日
8:30~12:30
◆休診日:木・祝日
臨時休診あります
長野県千曲市戸倉2121-1
026-214-8212
●各種保険適用
※2022年4月13日より、心療内科・精神科に加え内科診療も承ります。
光トポグラフィー検査
を県内初で導入